国際規格ISO9001とは?~取得する目的・メリット、仕組みを解説~

大洋産業では、2024年8月26日付けで「ISO9001」の認証を取得しました!
このISO9001を取得する目的・メリットは何でしょうか?またどのような仕組みなのでしょうか?
今回の記事ではISO9001について解説をさせていただきます。

「ISO9001」とは

ISO9001とは、国際標準化機構(International Organization Standardization)が定めている国際規格の中の一つで、顧客に提供する製品やサービスの品質を継続的に向上させていくことを目的とした品質マネジメントシステムの規格です。
マネジメントシステムとは、「組織の規定や手順を定めること」「規定や手順を運営する従業員の選任・権限を定めること」です。
例えば、少数の社員で構成されていれば問題ありませんが、大勢の社員となると、社長1人で全体を管理する事は不可能になります。そのため会社としてのルールを作り、会社を運営していくこととなりますが、この会社を運営するためのルールが「規定」や「手順」です。規定や手順を運用するためには、部課長等の職制が必要となり、各役職の「責任」と「権限」を明確にしなければなりません。
言い換えれば、マネジメントシステムとは、目標を達成するために組織を適切に指揮・管理する「仕組み」のことであると言えます。
「ISOマネジメントシステム規格」は、組織の「仕組み」に関する国際的な基準を示したものです。

取得の目的

昨今の社会情勢の変動は大変厳しく、同業他社及び海外メーカーとの競争が一段と激しくなってきているのが実情です。
こうした激しい社会情勢の中で生き残っていくためには、ルールに基づき、しっかりとした品質体制を構築することが必要となります。品質体制を構築していくためには、品質を保証するためのプロセスが必要となり、一般的にはISO9001を認証取得することが一番有効的な手段として挙げられます。
ISO9001を取得する目的としては、社会情勢の変動に追従し、マネジメントシステムを活用した品質向上を目指すことが目的となります。

取得するメリットは?

マネジメントシステムの取り組みは、認証が無くても一般的な組織では通常実施されていることです。
それでも、わざわざ認証を取得することにはどのような効果があるのでしょうか?
 1つ目は、第三者の証明による社会的信頼の獲得!
 2つ目は、第三者の視点による問題の発見!
 3つ目は、定期的な審査による継続的な改善=品質向上につながる!
そのため、お取引先や顧客の安心感へ繋がることはもちろん、企業としての信頼感や安心感が向上し、事業・取引先拡大へ繋がるチャンスにもなります。
また、管理の仕組みを作ることにより、業務の整理・効率化を行うことができ生産性向上や、従業員の満足度向上にも期待が持てます。。

ISO9001を取得するためには

①取得に向けた検討・準備

認証取得を決めたら、まずは必要な体制を整えていきます。

ISO管理責任者を選任する
ISO活動を円滑に進めるために、責任者を決定し、その補助機構としてISO事務局を設けます。ISO事務局は必須ではありませんが運用をリードする役として必要となります。事務局以外に、内部監査員も必須となります。監査員は自身の所属する部門を監査する事はできないため、2名以上選任する必要があります。

取得する範囲を決める
事業所・部門単位での取得も可能なため、どこまでの範囲で認証を受けるか事前に必要となる範囲を決めておきます。

要求事項を理解する
ISO9001には、「要求事項」という大きく分けて10章に及ぶ規格要求事項が定められています。
これらを理解し、逸脱しないような仕組みを作る必要があります。

②マネジメントシステムの構築・運用

ISO9001の要求事項に沿って品質マネジメントシステムの構築を行います。

手順・対応などのマニュアル化
品質マネジメントシステムの構築にあたり、管理体制の文書化が重要となってきます。
組織は誰にどのような権限と責任を与えているのか、マニュアルは誰がいつ作り、誰に認証され発行されたものなのか、さらには変更があった場合どう修正し周りに周知させているか等、管理体制が整っているのかが重要となります。

従業員の教育
どれだけ準備を整えても従業員が運用できなければ意味がありません。そのため、現状に見合った内容かを確認しながら、従業員への共有・教育も重要となります。

運用・改善
管理体制の構築ができたら、運用をして必要なところは改善を行います。
実際に運用するとさまざまな問題点が発生することがあります。品質を継続していくためには、「PDCAサイクル」を回していくことが求められます。

※PDCAサイクルの一例

③認証機関の選定

品質マネジメントシステムの運用により実績を積み上げたら、いよいよ認証取得の手続きに入ります。
認証取得するためには認証機関を選定し、認証機関の審査を受審します。

一次審査
品質マネジメントシステムの構築・運用において作成されたマニュアルや手順書、記録などを確認し、要求事項の充足を確認します。
組織体制や審査対象減と対象範囲の確認、組織のプロセス毎の役割や職務内容、社内規定・マニュアル・手順書類・記録等の文書を確認していきます。一次審査で見つかった問題点は指摘事項として計上され、次の審査までに改善計画を立てます。

二次審査
トップマネジメントなど対象者と面談を行い要求事項との適合性の確認の他、実際の業務や記録をもとにヒアリングを行い要求事項の充足を確認します。
一次審査と比べより詳細な整合性の確認を行い、必要であれば現地の記録や表示類と照らし合わせて確認を行う等の現地での調査も行います。

この2つの審査を行い、不適合事項があった場合は有効な是正処置を行います。
審査員の認証が出たあと審査会で正式に認証され、認証取得という流れになります。

④運用

ISO9001認証取得後は、上記でも説明した中にあったPDCAサイクルで品質マネジメントシステムを運用するとともに、以下の審査を受ける必要があります。

定期審査 1回/年実施

・更新審査 維持審査2回実施後、3年目に実施

今回はISO9001について解説させていただきました!
大洋産業では、今後もお客様に選ばれる企業を目指し、継続的な品質の改善・向上を目指してまいります。鋳物製品の製造・その他にご依頼がございましたら、こちらからぜひお問合せ下さい!

次回の記事もお楽しみに✨

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