鋳物製造業では、製品の品質管理や品質改善、安全対策、人材育成など、さまざまな課題に常に向き合う必要があります。これは業界全体の問題であり、私たち大洋産業にとっても決して他人ごとではありません。
2025年2月より、影山グループで鋳物製造を行っている大洋産業・小出鋳造所・三協鋳造所の3社を「鋳造グループ」とし、グループ全体で品質の向上と人材の育成を目指す体制を整えました。各社がこれまで培ってきた強みを生かしながら、課題に対して一丸となって取り組むことを目的としています。
そこで今回は、鋳造グループで実施している「鋳造グループ研修」についてご紹介します!
①リスクアセスメント研修

リスクアセスメントとは、職場にあるさまざまな危険の芽(リスク)を見つけ出し、災害に至る前に先手を打って対策を施し、リスクの除去・低減を図るための手法です。
実施手順は以下のとおりです。

この研修でのポイントは各工程の手順を洗い出し、その中で危険と思われるポイントを予測して挙げていき、どこが重大事故に繋がるか、至急取り組むべきポイントはあるのかという観点から点数をつけて優先順位をつけて取り組んでいくことです。
鋳造グループでは「安全同質化チェックシート」「作業RAシート」を活用し、リスクアセスメントの記録と定期的な見直しを行うことで、安全管理の実施に取り組んでいます。
②QC教育研修
製造業において製品の品質は、製造コストや収益、企業の信頼にもつながる重要な要素の一つです。
QC教育研修では「品質とは何か」という基本的な概念の共有に始まり、問題の整理や分析手法の実施、そして原因追及と改善の考え方を身につけることを目指しています。
単なる知識の習得にとどまらず、普段から「計画・実施・記録・監視・比較・調査・分析・対策・改善・検証・効果の確認・見直し・改定」といった行動、いわゆるPDCAサイクルを回すという考えや行動する力を育てることが、この研修の大きな目的です。
③品質改善研修

鋳物製造では避けて通れない課題の一つが「鋳造欠陥」。すなわち不具合品の発生です。
この課題を解決するために実施されているのが、品質改善研修です。
QC教育が考え方の基本であるのに対し、この研修はやや実践的で具体的な内容です。
実際に現場で起こった不具合事例をもとに、「なぜこの不具合が起きたのか」「どうすれば再発を防げるのか?」を現場目線で徹底的に分析。根本原因を特定し、具体的な対策を考える力を養います。
QC教育による分析手法やヒューマンエラーの視点も取り入れ、改善につながる思考力と行動力を育てることを重視しています。
品質は偶然に生まれるものではなく、仕組みと意識の積み重ねによって作られるものです。この研修を通じて、自分たちの手で品質を良くしていくという意識を持つことが、不具合ゼロの現場づくりやお客様満足の実現につながっています。
④マネジメント研修

鋳造グループでは、各部署のリーダーや中堅社員を対象に、マネジメント研修を実施しています。この研修の目的は「管理する力」ではなく、人を動かし、チームを導く力を育てることにあります。
研修では、
・管理職、リーダーとしての役割や基本姿勢
・部下との信頼関係の構築
・チームの課題発見と解決
・コンプライアンスの基本
といった内容を中心に、ディスカッションを交えながら実践的に学習します。
マネジメント力を高めることで、「ひとりで頑張る」から「チームで成果を出す」という意識へと変わり、仲間と目標を共有しながら現場を動かしていく力が育まれます。
その結果として、グループ全体の生産性向上や働きやすい職場づくりにもつながっています。
鋳造グループでは、現場力の強化・品質の安定化・人材の育成を目的に、階層や課題ごとに合わせた多角的な研修を行っています。
これらの研修は、単なる知識の習得だけでなく、「自ら考え、行動し、改善できる人材」を育てる土台となるものです。
今後も、鋳造グループでは学びを行動につなげる研修を継続的に進め、より良い職場づくりと、企業としての成長を目指していきます。