大洋産業では大小様々な大きさ・形の鉄蓋を製造しています。その中でも直径が約60㎝以上ある丸い鉄蓋、一般的には「マンホール蓋」と言われる蓋にはどのような役割・特徴があるのでしょうか?
実は、影ながら私たちの生活を支えているマンホール蓋ですが、この記事では役割・特徴について解説をさせていただきます!
マンホール蓋は何のためにあるの?
マンホールは英語のman(人)・hole(穴)を組み合わせた言葉です。
私たちが生活している街の地中には、水道管・生活汚水の配管・ガスの配管・電話線・貯水槽など様々な設備が地中に埋められています。この様々な設備を点検・管理するため人が出入りするよう設置されているのがマンホールです。そのマンホールの穴をふさぐ役割がマンホール蓋です。
どのような特徴があるの?
マンホールが設置される場所はほとんどが車道や歩道などの公道です。人が歩く事はもちろん、バイクや車、バスやトラック等の大型車両まで蓋の上を歩いたり走行したりします。そのためマンホール蓋はその重さに耐えられるほどの頑丈さが必要となります。
家庭に設置されている蓋はプラスチック製の物もありますが、公道に使用される蓋は鋳鉄製(※)のため、ちょっとやそっとでは壊れないよう頑丈に作られています。
また、ニュース等で大雨が降った際、マンホールから水が逆流している映像を目にしたことがある方もいると思います。蓋には簡単に取れないよう、蝶番(ちょうつがい)がついています。蓋と比べ、蝶番は多少変形してもちぎれないよう、焼鈍(しょうどん)と呼ばれる熱処理を行い伸び率を向上させています。上からの圧力だけでなく、下からの圧力への対策もされています。
※鋳物の金属の種類による分類と解説~鉄系金属~
マンホール蓋の構造
例外もありますが、マンホール蓋は丸い形をしています。それはなぜでしょうか?
いくつか理由はありますが、一番の理由はマンホールの中に蓋が落ちないようにするためです。丸は直径の長さが均一の為、どの角度のなっても落ちることがありません。
また、丸い形をしている事で重い車両に踏まれても圧力を均等に逃してくれたり、四角だと角が欠けやすいのに対し丸は丈夫だったり、転がして運べるなど様々な理由があります。
また、日本のマンホール蓋は海外と比べ違う点があります。
海外のマンホール蓋は平受けと呼ばれる構造になっており、イメージ図のように蓋と枠の接地面が真っすぐになっています。平受けの場合、蓋と枠の間に隙間ができてしまうためガタツキが起きやすくなってしまいます。
対して日本のマンホール蓋は、勾配(こうばい)受けと呼ばれる構造になっています。蓋と枠の接地面が少し斜めになっていることで、蓋と枠がぴったりとはまるようになっています。最近のものはガタツキが少なくピタッと蓋と枠が合わさりますが、軽い力で蓋を開けられるように工夫された構造になっているものも多いです。
日本のものづくり技術の高さがよく分りますね!
現在のマンホール蓋
私たちの生活を陰ながら支えているマンホール蓋ですが、近年ではデザインマンホールと言われる各地様々なデザインでマンホール蓋が作られているのも特徴です!
各地のシンボルマークやゆるキャラ、動植物や観光施設、さらにはアニメキャラまで様々なデザインのマンホール蓋が埋められ、観光スポットとして注目を集めているデザインまであります。
さらにはマンホールファンが集まる展示会や、マンホールを巡るイベントなどもあり、マンホール蓋に更なる注目が集まっています。
普段あまり気に留める事の少ないマンホール蓋ですが、様々な工夫を加えて私たちの生活を支えているんですね。
皆さんも街を歩いた際には、足元を見て新しい発見を楽しんでみてはいかがでしょうか?
次回の記事もお楽しみに✨