上水道の仕組みとは?~水を届け、排水する設備と鋳物の役割を解説~

私たちの生活に欠かせない水道。蛇口をひねれば水が出て、キッチンやお風呂、トイレなどで使った水は排水口へと流れていきます。普段何気なく使っている水はどこから来て、使った後にどこへ運ばれていくのでしょうか?
こうした水の供給や排水を支えているのが、「上水道」と「下水道」です。
そして、上下水道の仕組みを維持するためには、水を運ぶ管や水の流れを調整するバルブ、道路に設置されるマンホール蓋など、さまざまな設備が必要です。その一部には、鋳造によって作られた「鋳物」も使われています。
この記事では、上下水道の仕組みと設備の役割を解説するとともに、上下水道を支える鋳物の種類や特徴、鋳造時に大切なポイントについて紹介します。

1.上下水道の仕組みとは?

上下水道は、生活に必要な水を供給する「上水道」と、使用した水などを集めて処理・排水する「下水道」を合わせた呼び方です。それぞれ異なる役割を持ち、私たちの衛生的で快適な暮らしを支えています。

上水道の仕組み|水道水が家庭に届くまで

上水道は、川やダム、地下水などから取り入れた水を浄水場できれいにし、家庭や施設などへ届ける仕組みです。
まず、水源から取り入れた水を浄水場へ送り、汚れなどを取り除く処理や消毒を行います。こうして水質を整えた水は、送水管や配水池などの設備を経由し、配水管を通じて各家庭や施設へ供給されます。設備の構成や水の送り方は、地域によって異なります。
水を安定して届けるためには、浄水場だけでなく、配水管や水の流れを調整するバルブなどの設備も欠かせません。これらの設備が適切に機能することで、私たちは日常生活で水道水を利用できます。

下水道の仕組み|使った水はどこへいく?

一方、下水道は家庭や施設から排出された汚水などを集め、適切に処理・排水する仕組みです。
キッチンやお風呂、トイレなどで使った水は排水設備を通じて下水道管へ流れ込みます。その後、下水道管や必要に応じてポンプ設備などを経由して下水処理場へ運ばれ、汚れを取り除く処理が行われます。
処理された水は、定められた基準などに従って河川や海などへ放流されます。また、下水道には汚水と雨水を同じ管で流す方式と、別々の管で流す方式があり、地域によって仕組みが異なります。
こうした下水道の機能を維持するためには、汚水を運ぶ管路だけでなく、ポンプ設備や、地下の管路を点検するためのマンホールなども重要です。

このように、上下水道は水を届ける仕組みと、使った水を処理・排水する仕組みが組み合わさって成り立っています。そして、その流れを支えるさまざまな設備の一部には、鋳物が使われています。

2.上下水道を支える鋳物の種類と役割

上下水道に使われる設備には、鋳鉄などを材料とした鋳物製品があります。
鋳物は、溶かした金属を型に流し込んで製造するため、さまざまな形状の製品を作ることができます。また、材料の種類によっては、強度や耐久性などの特徴を活かすこともできます。こうした特徴から、鋳物は水道管やバルブ、マンホール蓋など、用途に応じた形状や性能が求められる製品に活用されています。
ここでは、上下水道に関連する代表的な鋳物製品と、その役割を紹介します。

①水道管・下水道管

上下水道の管路には、ステンレス・ポリエチレン・銅合金など、用途や設置環境に応じてさまざまな材料が使われています。その一つとして鋳鉄を材料とするダクタイル鋳鉄管があります。
ダクタイル鋳鉄管には、黒鉛を球状化することで強度や粘り強さを高めたダクタイル鋳鉄が使用されています。
水道管や下水道管には、内部を流れる水や土圧、設置環境などを考慮した性能が求められます。そのため、使用する材料や管の構造は、用途や施工条件などに応じて選定されます。上下水道の管路すべてに鋳鉄管が使われているわけではなく、樹脂や鋼材など、さまざまな材料が採用されています。
※鋳物の金属の種類による分類と解説~鉄系金属~

②バルブ・弁類

バルブは、管の中を流れる水の量や流れを調整したり、必要に応じて水を止めたりするための設備です。上水道の配水管や水道施設に設置され、点検や修理の際にも重要な役割を果たします。
バルブには流量制御・圧力制御・遮断用・逆流防止など、さまざまな種類があり、用途によって内部の構造や形状が異なります。製品のよっては、鋳鉄などを使用して本体や部品が製造されています。
こうした部品には、使用する環境や流体の条件などに応じた性能が求められます。鋳造は、バルブのように特定の形状や構造を必要とする部品を製造する方法の一つです。

③マンホール蓋

道路や歩道などで見かけるマンホール蓋も、身近な鋳物製品の一つです。
マンホール蓋は、地下に設置された下水道管や関連設備の点検口などを覆い、必要なときに内部へアクセスできるようにする役割を持っています。
車道などに設置されるものは、人や車両が通行する環境に対応した強度などが求められます。また、設置場所や用途によって、形状や構造も異なります。
鋳鉄製のマンホール蓋には、こうした用途に合わせた形状の製品があり、道路の下にある上下水道設備の維持管理を支えています。
普段は道路の一部として目にしているマンホール蓋も、鋳造技術が暮らしの身近なところで活用されている例といえます。
※私たちの生活を足元で支えるマンホール蓋!~構造や特徴を解説~

3.上下水道用鋳物の製造で大切なこと

上下水道用鋳物は、社会インフラを支える設備の一部として使われるため、用途に応じた品質を確保することが重要です。
鋳物の品質は、材料の成分や溶解条件、鋳型の状態、金属を流し込む際の条件、冷却の過程など、さまざまな要因に影響されます。
例えば、鋳造時の条件が適切でない場合、製品内部に空洞ができたり、形状や寸法に不具合が生じたりすることがあります。そのため、安定した品質を確保するには、材料の状態や鋳型の条件、金属を流し込む際の条件などを適切に管理し、必要な検査を行うことが重要です。
また、製品ごとに求められる形状や性能が異なるため、用途に合わせて材料や製造条件を選定することも重要です。
鋳物は、金属を型に流し込めば完成するという単純なものではありません。製造工程を適切に理解し、製品に求められる品質を確保することによって、上下水道を支える鋳物が作られています。

4.まとめ

上下水道は、生活に必要な水を届け、使用した水を適切に処理・排水するための重要な社会インフラです。その仕組みは、水道管やバルブ、マンホール蓋など、さまざまな設備によって成り立っています。
こうした設備の一部には鋳物が使われており、製品の用途に応じた材料の選定や製造工程の管理、品質の確認が重要です。
大洋産業では、上下水道用鋳物を製造しています。普段は目にする機会が少ない製品であっても、社会インフラを構築する設備の一部として、人々の暮らしを支えています。
上下水道の仕組みを知ることで、私たちの生活に身近な設備と、そこに活用されている鋳造技術への理解も深まります。

次回の記事もお楽しみに✨

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